冬のドライブ、特に雪道の運転は「スリップしないか」「立ち往生したらどうしよう」など、不安がつきものですよね。天気予報で雪マークを見ると、そろそろ車の冬支度を始めなければ、と焦る方も多いのではないでしょうか。
過去に雪道でヒヤッとした経験がある方や、万全の対策ができているか自信がない方のために、この記事では冬の車の雪対策を網羅的に解説します。
出発前にすべき準備から、車に積んでおくべき必須グッズ、雪道での安全な運転のコツまで、これさえ読めば安心して冬を迎えられる情報をまとめました。しっかり準備して、冬のカーライフを安全に楽しみましょう。
突然の降雪に慌てないためには、本格的な冬が来る前の事前準備が何よりも重要です。ここでは、安全な冬のドライブに欠かせない5つの点検項目をチェックリスト形式でご紹介します。
冬の雪対策として最も基本かつ重要なのが、スタッドレスタイヤへの交換です。夏用タイヤは低温でゴムが硬くなり、雪道や凍結路ではグリップ力を失い大変危険です。
交換時期の目安は、天気予報で最低気温が7℃を下回る日が続くようになったら、あるいは初雪予報の1ヶ月前です。雪が降ってからではタイヤ販売店や整備工場が大変混み合い、交換待ちになることもあります。早めの行動を心がけましょう。
また、手持ちのスタッドレスタイヤを使う場合は、溝の深さを必ず確認してください。溝の途中にある「プラットフォーム」という印が露出していたら、冬用タイヤとしての寿命です。安全のために新しいタイヤに交換しましょう。
冬はバッテリー上がりが最も起こりやすい季節です。その理由は、気温の低下によってバッテリーの性能自体が落ちてしまうこと、そして暖房やデフロスター(霜取り装置)の使用で電力消費量が増えるためです。
特に、2〜3年以上交換していないバッテリーは要注意です。出先での突然のバッテリー上がりを防ぐためにも、冬本番を迎える前にガソリンスタンドやディーラーで電圧をチェックしてもらい、必要であれば早めに交換しておきましょう。
雪道を走ると、前の車が跳ね上げた泥水や融雪剤でフロントガラスが真っ白になることがあります。そんな時にウォッシャー液が凍結していると、視界が確保できず非常に危険です。
必ず凍結温度が低い冬用のウォッシャー液に入れ替えましょう。寒冷地仕様のものであれば、マイナス30℃以下まで対応している製品もあります。交換する際は、夏用のウォッシャー液を使い切ってから補充するのが基本です。
雪や氷点下の環境では、通常のワイパーはゴムが硬化したり、ブレードの関節部分が凍り付いたりして、うまく雪や氷を拭き取れなくなります。
そこで役立つのが**冬用ワイパー(スノーブレード)**です。低温でも硬化しにくい特殊なゴムを使用し、ブレード全体がゴムで覆われているため凍結に強い構造になっています。吹雪の中でもクリアな視界を確保するために、ぜひ準備しておきたいアイテムです。
エンジンを冷却するための**冷却水(LLC:ロングライフクーラント)**が凍結すると、エンジンやラジエーターに深刻なダメージを与え、最悪の場合エンジンが破損する恐れがあります。
冷却水は濃度が薄いと凍結しやすくなるため、寒冷地へ行く前には必ず濃度が適正かを確認してください。自分での確認が難しい場合は、ディーラーや整備工場で点検してもらうことを強くおすすめします。
万全の準備をしたつもりでも、予期せぬトラブルは起こり得ます。「備えあれば憂いなし」の言葉通り、万が一の事態に備えて車に積んでおくべきグッズを「必須」と「便利」に分けてご紹介します。これらは「冬に車に積んでおくもの」として、ぜひ揃えておきましょう。
車が雪に埋もれたり、窓が凍り付いたりした際に必要となる基本的なアイテムです。
雪道でタイヤが空転して動けなくなる「スタック」は、冬の代表的なトラブルです。自力で脱出するために以下のグッズを準備しておきましょう。
豪雪による大規模な交通渋滞などで、長時間車内に閉じ込められるケースに備えるグッズです。命を守るための重要なアイテムなので、必ず準備してください。
必須ではありませんが、あると冬のドライブが格段に快適になる便利なグッズです。
冬の装備を万全に整えても、運転方法が夏と同じでは意味がありません。雪道を安全に走るためには、特別な運転技術が求められます。ここでは、特に重要な4つのポイントを解説します。
雪道や凍結路での運転の鉄則は、「急発進・急ハンドル・急ブレーキ」を絶対に避けることです。すべての操作を「ゆっくり、じんわり」行うことを意識してください。
雪道は乾いた路面に比べて、制動距離(ブレーキをかけてから停止するまでの距離)が大幅に長くなります。圧雪路では夏場の2〜3倍、凍結路では10倍以上になることもあります。
前の車が突然停止しても追突しないよう、普段の2倍以上の車間距離を保つことを常に意識してください。車間距離が心の余裕にも繋がります。
運転前に、車の屋根やボンネット、ライト周りの雪をすべて下ろすことは、ドライバーの重要な義務です。
屋根の雪を放置したまま走行すると、ブレーキ時にフロントガラスに滑り落ちてきて視界を塞いだり、後続車に雪の塊が飛んでいったりして、大変危険です。また、ライトやウインカーが雪で隠れていると、自車の存在や意思表示が他の車に伝わりません。スノーブラシを使って、車全体の雪をしっかり払い落としてから出発しましょう。
一見濡れているだけに見える路面が、実は薄い氷の膜で覆われている**「ブラックアイスバーン」**は、冬道で最も危険な罠の一つです。
以下のような場所は特に凍結しやすいため、通過する際は細心の注意を払いましょう。
外気温が**3℃**を下回ったら、路面が凍結している可能性を常に念頭に置いて運転することが大切です。
どれだけ注意していても、トラブルに遭遇する可能性はゼロではありません。ここでは、冬に起こりがちな車のトラブルと、その具体的な対処法を解説します。
タイヤが雪にはまって空転してしまったら、焦らず以下の手順を試してみてください。
豪雪などで長時間動けなくなった場合は、一酸化炭素中毒と追突事故の防止が最優先です。
朝、車に乗ろうとしたらドアや鍵穴が凍って開かない、というのも冬によくあるトラブルです。
絶対にやってはいけないのが、無理やりドアをこじ開けることと、熱湯をかけることです。ドアノブやゴムパッキンが破損したり、かけたお湯がすぐに再凍結して状況を悪化させたりする原因になります。
正しい対処法は、解氷スプレーを使用するのが最も安全で確実です。鍵穴の場合は、鍵をライターなどで人肌程度に温めて差し込む方法もあります。ぬるま湯をかける場合は、かけた後すぐに水分を拭き取らないと再凍結してしまうので注意が必要です。
吹雪の中を走行していると、ヘッドライトの前面に雪が付着し、どんどん暗くなってしまうことがあります。特に、発熱量の少ないLEDヘッドライトは雪が溶けにくいため注意が必要です。
夜間や悪天候時の視界不良は重大事故に直結します。こまめに車を停めてライトの雪を払い落とす習慣をつけましょう。事前にヘッドライト用の撥水コーティング剤を塗っておくと、雪が付着しにくくなるためおすすめです。
今回は、冬の車の雪対策について、出発前の準備から必須グッズ、運転のコツ、トラブル対処法までを詳しく解説しました。
最後に、安全な冬のドライブのための3つの要点を振り返りましょう。
これらの対策をしっかりと行うことで、冬の雪道に対する不安は大きく軽減されるはずです。万全の準備で、冬のドライブを安全に楽しんでください。
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